FileMaker(正式名称:Claris FileMaker)は、データベースの作成・管理を軸とした拡張性の高いカスタムAppを作れるローコード開発ツールのことです。
この説明、日常的にWebに触れている人以外には「なんのこっちゃ?」という感じですよね。
公式サイトのコピーや解説を見ても…
モダンで幅広い業務に対応できる
「Claris」公式サイト, https://www.claris.com/ja/
拡張性の高いカスタム App を作成。
Claris FileMaker 2023 なら、高性能なカスタム App を作成し、現在お使いの他の技術スタックと統合できます。
「Claris」公式サイト, https://www.claris.com/ja/
Claris FileMaker 2023 があれば、これまでで最もパフォーマンス、信頼性、拡張性が高いカスタム App を作成できます。
「Claris FileMaker」公式サイト, https://www.claris.com/ja/filemaker/
などなど、ビジネスパーソンやエンジニア向けの言葉が使われていて、日本語なのにパッと理解できない、という感覚を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、FileMakerの基本をできる限り誰にでもわかりやすいようまとめてみました。
ざっくり言うとExcelやスプレッドシートの強化版
FileMakerはデータベースの管理に長けた開発ツールです。
また、ローコードにより迅速なアプリケーション開発が可能となっています。
つまり、FileMakerを理解するうえでデータベースとローコード開発は避けて通れないということです。
この2つ、できる限り簡単に説明してみます。
データベースって?
データベースは簡単に言うと「整理されたデータの集まり」なのですが、言語化のしづらいさまざまな要素を含んでいます。
データベースをきっちり理解するのはプロに任せて、ひとまずExcelやスプレッドシートなどの表計算ソフトをイメージするのが手っ取り早いです。
イメージしやすくするため、画像を用意してみました。
ビジネスパーソンであれば馴染み深いであろう表計算ソフトの画面。
表示されているのは「顧客」と名付けられたシート(データの集まり)です。
そのシートの中には、縦方向の軸(行)と横方向の軸(列)で分けられた表があります。
行ではそれぞれの顧客を、列では顧客毎の詳細を管理しているわけです。
当然、「案件」のシートでは「顧客」とは別の情報を管理しています。
このような整理されたデータがもっともっとたくさん集まっている状態、というのがデータベースのイメージです。
限定的な説明ではありますが、データベースをざっくり把握するのにはよいかと。
ローコード開発って?
ローコード開発とは、「コードを書く」という従来のプログラミング作業を大幅に減らした開発のこと。
つまりFileMakerのようなローコード開発ツールを使えば、今までより簡単にアプリケーションを開発できるわけです。
ローコード開発には次のような特徴があります。
- スピーディな開発が可能
- 機能の追加や修正がしやすい
- カスタマイズ性が高い
実際に触ってみて、開発でめんどくさくなりがちな日付や時間の処理があっという間に実現できたので驚きました。
まとめると、FileMakerはデータベースを簡単かつ便利に扱えるローコード開発ツールとなります。
情報管理と、管理している情報を用いた作業効率化のプロフェッショナルです。
パソコンや他のアプリと連携できる
Excelとかスプレッドシートで管理できるなら、わざわざFileMakerを使う必要はないんじゃない?
FileMakerならでは、の利点がたくさんあるんです。
単純に情報を管理するだけであればExcelやスプレッドシートでも事足ります。
でも、実際の現場ってそんなに単純ではないことがほとんどではないでしょうか。
- 管理している情報をもとに〜〜がしたい
- 他部署に情報の一部分だけを共有したい
- 別のツールと情報を連携したい
- …などなど
実際に情報を管理していると、実現したいことはたくさん出てくると思います。
このような要望に臨機応変に対応できるのがデータベース、そしてデータベースを簡単かつ幅広く扱えるのがFileMakerの強みです。
例えば情報を元にメールを作成して送る、特定のアプリと連携させる、といったことも可能です。
さまざまなローコード開発ツールの中でFileMakerが選ばれる理由は、
- パソコンのローカルにあるデータを簡単に扱えること
- 他のツールと簡単に連携できること(API連携)
という2つの特徴からです。
これらにより、パソコンで行えるほとんどの作業を自動化できる、といっても過言ではありません。
iPhoneやiPadとも簡単に連携
FileMaker Goという関連ツールを使えば、FileMakerで作成したアプリケーションをiPhoneやiPadなどで簡単に使用できるようになります。
モバイル端末のカメラとも連携できるので、バーコードを撮影して情報を読み取るといった処理も手軽に実装できるのです。
通常の開発だと実装に時間のかかりそうなモバイル連携も、サクッと実現できてしまうのが驚きです。
大規模なシステム開発には向いてない
そんなにすごいなら全部FileMakerで作っちゃえばいいんじゃない?
もちろんデメリットもあるので、状況に応じて使い分けが必要です。
FileMakerの採用時に注意すべき点は4つあります。
- 大企業の基幹システムのような複雑すぎる開発には向かない
- データ量が膨大すぎると処理速度が遅くなる
- セキュリティの問題
- アプリケーションを動かすのにFileMakerのライセンスが必要(月額費用がかかる)
ローコードでスピーディに開発できる分、カスタマイズに限界はあるので大規模な開発には向きません。
また、セキュリティを重視して作られた開発ツールではありますが、国家レベルの超高度なセキュリティが必要な場面で使用するには不安が残りそうです。
逆に言うと、小規模な開発にはめちゃくちゃ向いているわけです。
ちなみに、FileMakerで作ったアプリケーションをカスタムAppと呼びますが、このカスタムAppを動かすのにもFileMakerは必要です。
使用者側にもライセンスを契約してもらう必要がある、というのもネックになる場合があります。
使いこなせれば業務効率化の最強ツール
つまりどんなツールなの?
使いこなせれば、情報管理とパソコン作業をすべて効率化できちゃう開発ツールです。
FileMakerを採用すれば、エンジニアは開発が楽になり、ユーザーはすぐにカスタムAppを使って業務効率化ができます。
Win-Winを実現した夢のような開発ツールです。
表計算ソフトを使いこなして日々作業をしている人にこそ、FileMakerを使ったさらなる効率化を体験し、その衝撃を味わってほしいです。
ツール | Claris FileMaker |
会社 | Claris |
公式サイト | https://www.claris.com/ja/filemaker/ |
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