誰だって良い文章を書きたいでしょう。
でも、「何を伝えたいのかがわからない」「余分な言葉が入りすぎている」「必要な情報が足りていない」といった文章に対する指摘を受け続けていくうちに、何が良い文章なのかわからなくなるのです。
自分なりの答えを出すために、「文章とは何か」という初歩から振り返ってみました。
文章とは何か
「文章」という言葉を辞書で調べてみました。
話し手または書き手の思考や感情がほぼ表現し尽くされている一まとまりの統一ある言語表現で,一つもしくは複数の文①から成るもの。
「スーパー大辞林」より一部抜粋
伝えたいことが言葉の塊で表現されていて、それがきちんとした構成をしていれば文章ということです。
文章は人に何かを伝えるために存在しています。
なぜ文章を書くのか
世の中にはとんでもない量の文章があります。
何かを伝えるために存在しているはずですが、その文章の目的について考えてみました。
- 本やブログは情報・経験・感情を伝えるため
- 小説は物語を伝えるため
- 手紙は気持ちを伝えるため
- マニュアルは手順や注意点を伝えるため
- コピーライトは魅力を伝えるため
少し考えただけでも、文章にはさまざまな狙いや意図が混ざり合っていることがわかります。
つまり、文章には必ず達成すべき目標があるのです。
文章が存在する2つの理由
ここまでの前提から考えると、
- 伝えること
- 目標達成に近づくこと
文章は上記2点を満たすために存在しています。
良い文章を作ってみる
- 伝えたい内容
- 自分の誕生日:1月23日
- ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんと同じ誕生日
- 目的
- ブログを読んでいる人に自分の誕生日を覚えてもらう
例えばこのような文章をいろいろと考えてみましょう。
そもそも伝わらない文章
1月23日は僕の年に1回のメモリアルな日で、ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんも同じだったので運命を感じました。
- 誕生日を「年に1回のメモリアルな日」とわかりづらく置き換えている
- 著名人の方々と何が同じだったのかがわかりづらい
- 主語と述語がわかりづらい(誰が「運命を感じました」と言っているのかがパッとわからない)
なんとなくオシャレっぽくしようとした結果、さっぱりわからない文章になっています。
こういった場合、「何を伝えたいのかがわからない」と指摘されるでしょう。
伝わるけど冗長な文章
僕の誕生日は1月23日で、ジャイアント馬場さんの誕生日やトリンドル玲奈さんの誕生日も同じ1月23日です。
文章内に「誕生日」「1月23日」といった言葉が複数回使われています。
こういった場合、「余分な言葉が入りすぎている」と指摘されるでしょう。
省略しすぎた文章
1月23日は、僕・ジャイアント馬場さん・トリンドル玲奈さんの誕生日です。
文章はスッキリしましたが、自分と著名人の方々を同列に並べてしまっているので、もともと伝えたかった内容とは少しズレています。
また、「僕」の印象が著名人の方々に比べて弱いため、目的は達成されないでしょう。
伝わる文章
- 僕の誕生日は1月23日で、ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんと同じです。
- 1月23日は僕の誕生日で、ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんと同じです。
- ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんの誕生日は、僕と同じ1月23日です。
これらは最低限の要素を満たした文章です。
要素の位置を入れ替えることで強調される部分は変わりますが、同じ内容を伝えられます。
このような論理的に正しい文章は、内容をスムーズに伝えるのに適しています。
目的を達成しやすい文章
- 僕の誕生日は1月23日(いち兄さんの日)で、ジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんと同じです。
- 1月23日に生まれた僕は、思えば「1、2、3」とコツコツ階段を登っていくような人生を歩んできました。同じ誕生日のジャイアント馬場さんやトリンドル玲奈さんの送る華やかな人生とは大きく違っています。
伝わる文章に特徴的なフレーズを追加することで、「誕生日を覚えてもらう」という目的は達成されやすくなります。
ただし、公の場やニュース色の強い場面ではこういった工夫が邪魔になるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
良い文章はどれ?
今回考えた中では
- 伝わる文章
- 目的を達成しやすい文章
のうち、状況にあっているものが良い文章と言えるでしょう。
良い文章を書く心得
いろいろと考えた結果、良い文章を書くための心得が見えてきました。
- スムーズに伝わるよう内容を整理する
- 目標達成のために書く
- 使われる状況にふさわしい文章を選ぶ
この心得を意識しながら、ひたすら文章を書き続けること。
これが、良い文章を書くために必要なことです。
僕もまだまだ未熟者。
階段を登るように、コツコツと文章道を歩もうと思います。