「推し、燃ゆ」に恋した3文

推しの炎上から始まる、ひとりの少女の生き様。

第164回芥川賞受賞作です。

若さを存分に醸しつつも美しい、そんな文章に心をつかまれました。

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その本に恋した3文

あたしのスタンスは作品も人もまるごと解釈し続けることだった。推しの見る世界を見たかった。

出典:宇佐見 りん「推し、燃ゆ」,河出書房新社

さっきから大量につめ込んでいる、自分のだかお客さんのだかわからないすみませんで窒息しそうになり、あたしは黄ばんだ壁紙と壁紙のめくれた継ぎ目のあたりにかけられた時計を盗み見る。一時間働くと生写真が一枚買える。

出典:宇佐見 りん「推し、燃ゆ」,河出書房新社

ずっと、生まれたときから今までずっと、自分の肉が重たくてうっとうしかった。

出典:宇佐見 りん「推し、燃ゆ」,河出書房新社
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まとめの3文

自分には一生理解できない推しの世界。
それを、マシンガンのような勢いを持った美しい文章で描ききった作品です。
投影された現代の歪みは、心の奥底にグサグサと突き刺さるくらい親近感を覚えました。

書籍情報

書籍タイトル推し、燃ゆ
著者宇佐見 りん
出版社河出書房新社

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